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更新日時 2019年02月26日

煉瓦構造物 韮山反射炉
 韮山反射炉は、静岡県伊豆の国市にある反射炉跡である。日本で唯一現存する実用反射炉であり、国の史跡に指定されている。 韮山反射炉は、伊豆の国市中字鳴滝入に現存している反射炉の遺跡。日本に現存する近世の反射炉は、この韮山反射炉と萩反射炉(山口県萩市)のみであるため貴重な遺構とされる。1922年(大正11年)3月8日に敷地も含めて国の史跡に指定された。また、2007年(平成19年)、経済産業省により、近代化産業遺産に認定されている。さらに2009年には、萩反射炉などと共に九州・山口の近代化産業遺産群の構成資産としてユネスコの世界遺産(文化遺産)暫定リストへ掲載され、2015年には「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」として正式登録された。1840年(天保11年)のアヘン戦争に危機感を覚えた韮山代官江川英龍は海防政策の一つとして、鉄砲を鋳造するために必要な反射炉の建設を建議した。韮山反射炉は、1853年(嘉永6年)の黒船来航を受けて、江戸幕府直営の反射炉として築造が決定された。1853年、伊豆下田にて築造開始。翌1854年(安政元年)、下田に入港したアメリカ合衆国のマシュー・ペリー艦隊の水兵が敷地内に侵入したため、築造場所が伊豆韮山に変更された。1855年(安政2年)、江川英龍が死去すると、跡を継いだ息子の江川英敏が築造を進め、1857年(安政4年)に完成した。江川英敏は、韮山反射炉を築造するにあたって、1857年、築造途中だった北炉完成のために、佐賀藩で築地反射炉・多布施反射炉の築造に携わった技師田代孫三郎・杉谷雍助以下11名を招き、技術協力を得た。1857年から1864年まで、反射炉本体での鋳造が行われる。1868年、幕府直営から江川家私営となる。
韮山反射炉
@韮山反射炉。反射炉本体は、内部の天井がドーム状になっている炉体部と煉瓦積みの高い煙突からなり、高さは15.7mである。煙突の外観は上部に向かって細くなっているが、煙道は同じ広さで、人が1人で入れるほどである。15.7mの高さを必要としたのは、燃焼時に鞴などの人力によらず、自然送風により大量な空気の吸引を確保する為である。
@韮山反射炉。逆U型の口は鋳物鉄投入口。原料となる鋳物鉄(主に石見、南部産)等の投入口。内部の溶解室において熔解された鋳物鉄は、ゆるやかな下り勾配の炉床を出湯口に向かって流れて行く。
@韮山反射炉。焚所風入口、灰穴。上部の焚く所に自然に送風を行うと共に、焚所で、燃えた燃料の灰を落とすところ。上部に設置した鉄桁の上にロストル(火格子)を敷き、その上に燃料となる石炭等を置いて燃焼させた。
@韮山反射炉。四角い口は石炭投入口。燃料となる石炭(主に筑後、常磐産)等の投入口。当時の技術書によると、内部の焚所(燃焼室)において、最初に弱火でロストルを温め、その上に木くずと薪を置き、石炭を堰よりやや高くなる程度に入れて熱や炎を発生させていた。
@韮山反射炉。
@韮山反射炉の補修に新しい耐火煉瓦が使われている。耐火煉瓦の刻印が見える。
@韮山反射炉の古い耐火煉瓦の○は刻印か?
@韮山反射炉。四角い口は石炭投入口。燃料となる石炭(主に筑後、常磐産)等の投入口。当時の技術書によると、内部の焚所(燃焼室)において、最初に弱火でロストルを温め、その上に木くずと薪を置き、石炭を堰よりやや高くなる程度に入れて熱や炎を発生させていた。
@韮山反射炉。焚所風入口、灰穴。上部の焚く所に自然に送風を行うと共に、焚所で、燃えた燃料の灰を落とすところ。上部に設置した鉄桁の上にロストル(火格子)を敷き、その上に燃料となる石炭等を置いて燃焼させた。
@鋳台(鋳型を置くところ)反射炉本体で熔解した鉄を鋳造型枠に流し込み成型した施設。操業当時の構造はピット状になっていた。
@鋳鉄製24ポンドカノン。
A韮山反射炉ガイダンスセンター。このセンターの観覧料を払わないと反射炉の見学が出来ない。観覧料は500円。フラッシュ撮影は禁止されているが、展示物の撮影自体は禁止ではない。
A鋳造物。
A耐火煉瓦。
A耐火煉瓦。○一は煉瓦の刻印か?
A土製鋳型・小玉。
A土製鋳型・小玉。
A24ポンド榴弾。
A工具(スパナ)、刀子状工具。
A木炭。
A3.4インチ実体弾。
A青銅製29ドイムモルチール。口径29ドイム(cm)のモルチール。砲身が短く臼に似ていることから「臼砲」とも呼ばれる。この大砲は、明治6年(1873年)に韮山反射炉から東京の陸軍兵器本廠に移されたが、明治42年(1909年)に韮山村に送られてきた。
A明治42年撮影の韮山反射炉。
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出典: 「国土地理院の電子国土Web(地図画像)『伊豆の国市』を掲載」