ローカル線の旅 明知鉄道

更新日時 2014年07月03日

 明知鉄道は、岐阜県で旧国鉄特定地方交通線を引き継いだ鉄道路線明知線を運営している沿線自治体などが出資する第三セクター方式の鉄道会社である。明知線は、岐阜県恵那市の恵那駅から明智駅に至る明知鉄道が運営する鉄道路線。わずか25kmあまりの区間で、2つの峠を越えるという急勾配と急曲線の連続する路線で、転換後に当時の運輸省(現・国土交通省)の特認を受けて新設された飯沼駅と野志駅は、日本で第1位と第2位の急勾配駅(鋼索式鉄道を除く)として知られる。基本は通学輸送を中心としたローカル輸送であるが、寒天列車、きのこ列車等のイベント列車も企画・運行されている。有人窓口のある恵那駅、岩村駅、明智駅では、硬券のきっぷが発売されている。また、岩村駅と明智駅では使用済乗車券(硬券)が1枚20円で販売されている。ワンマン運転の各駅停車が線内で折り返し運転されている。1時間から1時間半に1本の運行で、土曜日と休日は夜の1往復は運行されない。2011年3月12日からは急行「大正ロマン号」が1日1往復(月曜運休)が運転されている。急行は途中阿木駅・岩村駅の2駅のみに停車する。
明知鉄道明知線
恵那駅 - 東野駅 - 飯沼駅 - 阿木駅 - 飯羽間駅 - 極楽駅 - 岩村駅 - 花白温泉駅 - 山岡駅 - 野志駅 - 明智駅
 恵那駅(えなえき)は、岐阜県恵那市大井町にある、東海旅客鉄道(JR東海)・明知鉄道の駅である。かつて駅前に岩村電気軌道が、 北恵那鉄道大井線が駅に乗り入れていた。
 恵那駅構造はJR東海の1番線の東側にある頭端式ホーム1面1線を有する地上駅。JRのホームとは網で仕切られている。明知鉄道発足時に中央本線との連絡線が撤去され、JR線とは繋がっていない。駅舎はJR駅舎の東側にあり、2階部分には歯科医院が入居している。連絡改札口があるが自動化されておらず、JR東海をTOICAで利用後に明知鉄道に乗り換える場合、一旦JR東海の改札を出た後で明知鉄道の乗車券に買い直し、改めて明知鉄道の改札口に入る必要がある。
 明知鉄道、恵那駅 - 東野駅間の南北街道踏切より撮影。第1種踏切:自動踏切警報機と自動遮断機を設置するか、踏切保安係を配置して、列車が通る際に道路の交通を遮断機によって遮断するもの。第1種甲:通過する全ての列車または車両に対して、道路を遮断するもの。第1種乙:始発列車から終列車までの時間内の列車または車両に対して、道路を遮断するもの。
明知鉄道、恵那駅 - 東野駅間にて撮影。
 明知鉄道、恵那駅 - 東野駅間の踏切にて撮影。第4種踏切:第1種 - 第3種に該当しないもの。踏切警報機や遮断機は設置されていない。地方ローカル線で多くみられ、特に自動車の通行できない道路に多い。「とまれみよ」という標識などがたてられているのみで、実際に列車が接近していて危険ではないかの判断は通行者の目視等にゆだねられているため、事故が発生しやすい。この種類の踏切は二輪もしくは小特を除く自動車の通行を禁止している箇所が多い。また、信号機によって道路交通を規制する方式の踏切もこれに分類される。汽笛吹鳴標識が手前に設けられ、通過する列車は警笛を鳴らす事が非常に多い。
明知鉄道、恵那駅 - 東野駅間の小型のガーター橋。
明知鉄道、恵那駅 - 東野駅間の中津街道踏切より撮影。(第1種踏切)
明知鉄道、恵那駅 - 東野駅間の県道68号線を越える鉄橋。
 明知鉄道、恵那駅 - 東野駅間の赤道より撮影。鉄道事業者によって認められた踏切のほかに、いわゆる「赤道(あかみち)」と呼ばれる、小さな路地やあぜ道、山道などの里道と、鉄道線路が交差している場所がある。このような場所では、踏み板等はない。このような場所の横断は、歴史的経緯により黙認されているのが実情であるかもしれないが、線路内立ち入りになるので鉄道事業者も注意書きの設置などをしている。
明知鉄道、恵那駅 - 東野駅間の踏切にて撮影。(第4種踏切)
東野駅(ひがしのえき)は、岐阜県恵那市東野にある明知鉄道明知線の駅である。
 東野駅構造は1面1線の単式ホームを持つ地上駅。ホーム隣接地に医療法人「恵雄会」の介護施設があり、施設の1階が待合室になっている。
明知鉄道、東野駅 - 飯沼駅間の第2白坂踏切より撮影。(第1種踏切)
明知鉄道、東野駅 - 飯沼駅間の第1寺前踏切より撮影。(第1種踏切)
明知鉄道、東野駅 - 飯沼駅間の踏切より撮影。(第4種踏切)
明知鉄道、東野駅 - 飯沼駅間の踏切より撮影。(第4種踏切)
明知鉄道、東野駅 - 飯沼駅間の跨線橋より撮影。
明知鉄道、東野駅 - 飯沼駅間の第1浜井場踏切より撮影。(第1種踏切)
明知鉄道、東野駅 - 飯沼駅間のガーター橋。
明知鉄道、東野駅 - 飯沼駅間の第1浜井場踏切より撮影。(第1種踏切)
明知鉄道、東野駅 - 飯沼駅間の赤道より撮影。
明知鉄道、東野駅 - 飯沼駅間の踏切より撮影。(第4種踏切)
飯沼駅(いいぬまえき)は、岐阜県中津川市飯沼字市之坪にある明知鉄道明知線の駅である。
 飯沼駅構造は1面1線の単式ホームのみを持つ地上駅で、無人駅である。普通鉄道としては日本で最も勾配が急な場所にある駅であり、本来は駅設置が認められていない1000分の33(33パーミル)の急勾配中に設けられている。開業にあたっては、監督官庁である運輸省(当時)の担当者立ち会いのもと、停車・発進の安全性確認テストを繰り返し、特認により設置が認められた。 ホームには、当駅が33パーミルの勾配上にあることを示す看板が取り付けられている。
明知鉄道、飯沼駅 - 阿木駅間の踏切より撮影。(第1種踏切)
明知鉄道、飯沼駅 - 阿木駅間の列車内より撮影。
明知鉄道、飯沼駅 - 阿木駅間の跨線橋及び列車内より撮影。
明知鉄道、飯沼駅 - 阿木駅間のコンクリート製の橋梁。
阿木駅(あぎえき)は、岐阜県中津川市阿木にある明知鉄道明知線の駅である。
 阿木駅構造は1面1線の単式ホームを持つ地上駅。無人駅である。もう1面ホームがあるが、国鉄明知線転換以降使用されていない。駅舎を利用して歯科医院がある。
廃止されたホーム。 列車を利用した倉庫。
明知鉄道、阿木駅 - 飯羽間駅間の阿木川を渡るガーター橋。
明知鉄道、阿木駅 - 飯羽間駅間のコンクリート製の橋梁。
明知鉄道、阿木駅 - 飯羽間駅間の跨線橋より撮影。
明知鉄道、阿木駅 - 飯羽間駅間の跨線橋より撮影。
明知鉄道、阿木駅 - 飯羽間駅間の赤道より撮影。
明知鉄道、阿木駅 - 飯羽間駅間の第2秋山踏切より撮影。(第1種踏切)
 飯羽間駅(いいばまえき)は、岐阜県恵那市岩村町飯羽間字光学にある明知鉄道明知線の駅である。恵那市岩村町飯羽間地区の中心駅。
飯羽間駅構造は1面1線の単式ホームのみを持つ地上駅。無人駅である。
明知鉄道、飯羽間駅 - 極楽駅間の山本踏切より撮影。(第1種踏切)
明知鉄道、飯羽間駅 - 極楽駅間の第1新立踏切より撮影。(第1種踏切)
 極楽駅(ごくらくえき)は岐阜県恵那市岩村町にある明知鉄道明知線の駅である。駅新設に当たり、地元岐阜県に本社があるスーパーマーケットのバローから1,080万円(費用の半額に相当する)の寄付金が寄せられた。この駅名は、みなさまに愛される駅名とするために、一般より募集を行い「極楽駅」に決定しました。極楽駅付近には平安末期頃から室町初期頃迄存在していたと考えられる「極楽寺」という字名があります。地域の人には慣れ親しんだ駅名となりました。「極楽寺」という寺はいつ創立された寺かは明らかではないが、遺物から考察すると平安末期頃から存在し、室町初期頃迄存在した寺と考えられる。そのおびただしい出土品から見て相当繁栄した民衆寺であったことが創造される。大円寺の遺物と比較して遙かに豊富であるから、大きな寺でありこの寺を中心とした山頂部落も優勢な聚落であったことを思い、そういう力が岩村に城を築き、遠山庄たる恵那郡全円の中心本所としたものと考える。
 極楽駅構造は単式1面1線の無人駅。ホームは愛知万博開催時に愛知環状鉄道 万博八草駅(現・八草駅)のホーム拡張に使われたものを再利用している。
 「人は須らく忙裏に間を占め苦中に楽を存する工夫をすべし」人は忙しさの中に静かなる時が持てるようにまた苦しみの中にあっては楽しみの心が持てるように工夫すべき。心に余裕があってこそ成果が生まれるのであり心の余裕は何事にも楽しんでやる気持ちを持つことなのです。(どうせやるなら楽しんでやろう)
明知鉄道、極楽駅 - 岩村駅間の第2新立踏切より撮影。(第1種踏切)
明知鉄道、極楽駅 - 岩村駅間の第2大井街道踏切より撮影。(第1種踏切)
 岩村駅(いわむらえき)は、岐阜県恵那市岩村町にある明知鉄道明知線の駅である。同町には恵那南高校岩村校舎があるため、朝夕は通学客で賑わう。(2011年05月11日撮影)
外観がすっきりしてしまいました。以前の方が趣が有ったのですが・・・(2014年06月28日撮影)
岩村酒造のトロッコ軌道リンク
 岩村駅構造は上り線と下り線が斜交いに向き合う2面2線の相対式(千鳥式)ホームを持つ地上駅。明知線内唯一の列車交換(行違い)可能駅となっている。有人駅である。駅舎内には「御用承り処」と称する観光案内所がある。
岩村駅での列車交換です。
 2004年3月29日まで、腕木式信号機が稼働していたが、2006年4月11日に構内にて腕木式信号機を「産業遺産」として復活させ、駅員の指導の下で見学者が実際に動かせるモニュメントとした。
富士重工製の軌道モーターカー。
明知鉄道、岩村駅 - 花白温泉駅間の明知街道踏切より撮影。(第1種踏切)
明知鉄道、岩村駅 - 花白温泉駅間の赤道より撮影。
明知鉄道、岩村駅 - 花白温泉駅間の赤道より撮影。
明知鉄道、岩村駅 - 花白温泉駅間の第2一色踏切より撮影。(第1種踏切)
明知鉄道、岩村駅 - 花白温泉駅間の跨線橋より撮影。
明知鉄道、岩村駅 - 花白温泉駅間の列車内より撮影。
明知鉄道、岩村駅 - 花白温泉駅間の亀屋踏切より撮影。(第1種踏切)
明知鉄道、岩村駅 - 花白温泉駅間の水口踏切より撮影。(第1種踏切)
 花白温泉駅(はなしろおんせんえき)は、岐阜県恵那市山岡町馬場山田にある明知鉄道明知線の駅である。駅前に「花白の湯」という温泉入浴施設がある。人家は多めだが商店はない。
花白温泉駅構造は1面1線の単式ホームのみを持つ地上駅。無人駅である。
明知鉄道、花白温泉駅 - 山岡駅間の仲田踏切より撮影。(第1種踏切)
明知鉄道、花白温泉駅 - 山岡駅間の第2田沢踏切より撮影。(第1種踏切)
山岡駅(やまおかえき)は、岐阜県恵那市山岡町上手向にある明知鉄道明知線の駅である。
 山岡駅構造は1面1線の単式ホームを持つ地上駅。無人駅。かつては、1面2線の島式ホームであったが、片方の線路は完全に撤去され整備されている。
 山岡駅構内に留置(静態保存?)されているアケチ1形 1:1985年の開業時に用意された軽快気動車で、バスの設計を取り入れた富士重工業のLE-Carシリーズ(レールバス)である。急勾配区間に対応するため、動力台車は2軸駆動式としたが、反面、軽量化のため冷房装置の搭載は見送られた。全長は15.5mで、前面は貫通型である。車内はセミクロスシート。アケチ10形の導入により、3が1997年12月、2が1998年11月、1が1998年12月、4,5が1999年10月に廃車となり、形式消滅した。廃車後は阿木駅・山岡駅に1両ずつ、明智駅に3両留置され、倉庫として活用されていたが、明智駅の留置車両は2005年秋に解体された。また、明智駅の留置車両は、大正村のトレインマークがついていた。左写真は2011年05月11日撮影。右写真は2014年06月28日撮影。列車は塗装し直されたのですね。
明知鉄道、山岡駅 - 野志駅間の第1牧街道踏切より撮影。(第1種踏切)
明知鉄道、山岡駅 - 野志駅間の第2牧街道踏切より撮影。(第1種踏切)
明知鉄道、山岡駅 - 野志駅間のコンクリート製の橋梁。
明知鉄道、山岡駅 - 野志駅間の踏切より撮影。(第4種踏切)
野志駅(のしえき)は、岐阜県恵那市明智町野志にある明知鉄道明知線の駅である。
 野志駅構造は1面1線の単式ホームのみを持つ地上駅。無人駅である。勾配30‰の線路に面して設置されており、鉄道駅の中では京阪京津線の大谷駅と並ぶ第2位の急勾配上の駅である。構内に「線路勾配30」と示した標識がある。
明知鉄道、野志駅 - 明智駅間の踏切より撮影。(第4種踏切)
明知鉄道、野志駅 - 明智駅間の跨線橋より撮影。
明知鉄道、野志駅 - 明智駅間の赤道より撮影。
明知鉄道、野志駅 - 明智駅間の赤道より撮影。
明知鉄道、野志駅 - 明智駅間の国道363号線を越える鉄橋。
明知鉄道、野志駅 - 明智駅間の番神踏切より撮影。(第1種踏切)
 ひがし美濃号。アケチ6形-6:1989年4月に富士重工業で新製された増備車で、開業時に投入されたアケチ1形とほぼ同形ながら、車内はオールロングシートとなり、冷房装置を搭載した関係で、一部の側窓が固定式となった。
 明智駅(あけちえき)は、岐阜県恵那市明智町445-2にある明知鉄道明知線の駅。住民により大正時代の町並みを保存し、観光資源として活用している「日本大正村」の玄関口である。「明智」と称する駅は同じ岐阜県内にもうひとつ、名鉄の駅があるがそちらは可児市である。左写真は2011年05月11日撮影。右写真は2014年06月28日撮影。明智駅も雰囲気が変わりましたね。
 明智駅構造は駅舎に接して1面1線の単式ホームがある地上駅。構内に車両基地があり、夜間滞泊もある。また、多くの側線を有する。
明智駅構内のポイント切り換え機。 明智駅車庫。
明智駅構内のヘッドマーク類。
ももちゃんHappy Birthday号(2014年06月28日撮影)
 アケチ10形 (10 - 14) - 5両:1998年1月に登場したアケチ1形の代替新造車で、従来車がバス車体を基本としたLE-CarIIシリーズであったのに対し、鉄道車両設計のLE-DCシリーズとなっている。車体は15m級の普通鋼製で、295ps(2100rpm)のディーゼル機関(日産ディーゼル(当時、現「UDトラックス」)PF6HT03)を1基搭載している。急勾配に対応して動力台車は2軸駆動式、砂撒き装置を台車に装備している。富士重工業で、1997年12月に1両 (10)、1998年10月に2両 (11,12)、1999年10月に2両 (13,14) が新製された。車内は、11 - 13がセミクロスシート、10,14がロングシートでイベント列車での使用に対応するほか、急行「大正ロマン号」では「食堂車」として使用される。この車両は、地方私鉄向けの標準設計化車両の第1号で、以降、同様の車体を持つ車両が各地の地方私鉄に登場している。
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