更新日時 2011年03月10日

 石見鉱山は以前は黒鉱および黒鉱鉱体に伴う石膏鉱体が採鉱され、近年まではゼオライトが採鉱されていました。石見鉱山に隣接して小規模な鉱脈型鉱床があり、「五十猛の鉛山」として石見銀山の銀製錬に用いた鉛を産出しました。黒鉱型鉱床は亜鉛や鉛、銅、銀などを含む黒色の鉱石(黒鉱)が特徴で、代表的なものとして秋田県の小坂鉱山があります。島根県では出雲市にも鰐淵鉱山などの黒鉱型鉱床があります。 大田市には日本海形成期の火山活動にともなう凝灰岩類(グリーンタフ)が広く分布しています。この凝灰岩類は黒鉱型鉱床を胚胎しています。黒鉱型鉱床は日本列島特有の鉱床で、深い日本海海底で噴出した熱水から晶出した鉱物が火山性のくぼ地(カルデラやコールドロン)に堆積してできたと考えられています。 グリーンタフに伴う鉱床として、ゼオライト鉱床、ベントナイト鉱床があります。石見鉱山のほか、仁万鉱山(仁摩町)、長谷鉱山(大田町)がゼオライト鉱山、朝山鉱山(朝山町)がベントナイト鉱山として現在も稼働しています。 黒鉱型鉱床を採鉱した大田市の鉱山には、石見鉱山(五十猛町)、松代鉱山(久利町・長久町)、鬼村鉱山(大屋町)がありました。 イワミライトは「ゼオライト」と呼ばれる天然の鉱物で、和名は「沸石」です。組成はアルカリ金属(Na、K)、アルカリ土類金属(Ca)を含み、水分子(H2O)を結晶水として構造中にとり込んだ、アルミニウムの含水珪酸塩鉱物です。この結晶水は、沸石水と呼ばれ、加熱すると、比較的低温で脱水します。結晶水があったところはそのまま微小な細孔として残り、そこに水分やガスを吸着する性質があります。また、含有するアルカリ金属やアルカリ土類金属の大部分は、水溶液の中で、他の陽イオンと交換する特性があり、これを塩基置換容量(一般にCECと呼んでいます)で表します。これらの特徴を活かし、ゼオライトは、土壌の改良、水質管理、畜産の環境改善、建設資材の原料、脱臭プラント用資材などに使われています。さらに、新しい環境分野での応用として、廃水処理場の浄水装置、産業廃棄物処理場の排水対策、資源循環型水質浄化システムヘの利用など、ゼオライトの用途はますます大きく広がっています。
採取鉱石:凝灰岩、黒鉱、黒鉱鉱体、石膏鉱体、ゼオライト鉱床。
会社沿革
1962年 石見鉱山株式会社設立。(資本金六千万円)
1969年 石見鉱山は大阪石膏株式会社より全鉱区を買収、松島坑操業合理化、延里地区探鉱を実施。
1976年 石見鉱山、ゼオライト(沸石)発掘。
2001年 三井金属資源開発(株)は石見鉱山株式会社を吸収合併。
      資本金4億円に増資しゼオライト事業を開始 。
 石見鉱山のコンプレッサー室。現在は三井金属資源開発(株)石見鉱業所が特別管理産業廃棄物保管場所として管理しているようだ。
割れている窓から覗くと、配電設備の電気が点灯している。斜坑の排水と排気を行っているためであろう。
 倉庫の前に岩石採取標識が残されている。事業所の名称は石見鉱山。採取する岩石は凝灰岩で、右図によると400m15度の斜坑の様だ。
倉庫内はまだ現役の雰囲気が残っているが、石見鉱山は廃坑になっている。
坑口の近くの倉庫。 選鉱場。
選鉱場のトロッコ軌道。
 石見鉱山の坑口は一つの様だ。斜坑になっていて入口は封鎖されている。2008年の頃はまだ、封鎖されていなかった様だ。左の筒は送風管。排水も行っている様だ。
選鉱場から斜坑に降りるトロッコ軌道。
ナベトロ(鉱車)が残っている。正式名称は土木工事用側倒車と言うそうですが通称ナベトロです。
選鉱場からズリ捨て線が分岐している。
斜坑のトロッコ巻揚機の動力小屋。
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出典:三井金属資源開発株式会社
出典: おおだwebミュージアム
廃鉱山 石見鉱山