のと鉄道七尾線(七尾駅−穴水駅)

更新日時 2009年12月31日

 のと鉄道株式会社(のとてつどう)は、国鉄改革にともない第3次特定地方交通線に選定された能登線を引き受けるために設立された、石川県などが出資する第三セクターの鉄道事業者である。本社は、石川県鳳珠郡穴水町字大町チ字24番2。石川県が旧国鉄能登線廃止に際して鉄道存続に意欲を見せ、運輸省(当時)に廃止対象路線の早期指定を愛知県、高知県と共同で陳情したいきさつを持つ。能登線の廃止の決定を受け、路線の引き受け会社としてのと鉄道株式会社が設立され、能登線の全線を継承して運営に当たった。転換当初は運賃を若干値上げしたものの、運行本数を増加して乗客、収入ともに増加させ、第三セクター鉄道の成功例と言われたこともあった。1991年にJR七尾線が和倉温泉まで電化されたのに伴い、非電化の和倉温泉 - 輪島間の営業を西日本旅客鉄道(JR西日本)から引き受けたが、能登半島の道路網整備が進んだことや、過疎化による沿線人口の減少を受け乗客数は減少の一途をたどっていった。経営改善のため、経営コンサルタントの助言を受けながら2001年には輪島線とも呼ばれていた七尾線の穴水 - 輪島間を、2005年には能登線の全線を廃止し、最盛期には100kmを超えた営業路線も現在では三分の一にまでになっている。乗客数の減少により列車本数は削減され、厳しい経営が続いている。なお、七尾 - 穴水間を存続させた理由の一つは、2014年度の北陸新幹線の開業後にJR七尾線(津幡 - 和倉温泉間)が経営分離される可能性があり、石川県に鉄道運営のノウハウを残す必要があったためとされる。穴水 - 輪島間廃線翌年の2003年、のと鉄道七尾線では急行便や能登中島折り返し便も含め上下合わせて10数便が減便され、普通列車のみ1日上下計29便となった。しかし2005年に新型車両が導入されると共に、上下各2便が増便された。2009年3月現在、上下計34便の列車を定期運行している。新型車両導入後は沿線の小学校や保育所の児童による絵画や田鶴浜野鳥公園で撮影された野鳥の写真、能登線の車両や駅の写真などを積極的に車内に掲示している。また、イベントなどで新型車両NT200形を用いた体験運転を穴水駅構内で行っている。
七尾駅 - 和倉温泉駅 - 田鶴浜駅 - 笠師保駅 - 能登中島駅 - 西岸駅 - 能登鹿島駅 - 穴水駅
 のと鉄道の始発駅。(七尾〜和倉温泉間はJR西日本との相互運転区間)
 今を去る590年の昔、守護大名の畠山氏が能登に着任して築いた山城の七つの屋根に基づき名付けられた地名。 その後、天正9年(1581年)に前田利家が着任して小丸山に城を築いたが、地名はそのまま『七尾』を利用した。現在の七尾は、天然の良港である七尾港(重要港湾)を中心に栄えてきた町である。 5月には、高さ12m・重さ20tという日本一のでか山(曳山)が街を練り歩く『青柏祭』が行われることでも有名。のと鉄道の列車は『のとホーム』から発車。
 地上駅で、コンクリート造りの2階建て駅舎を備える。ホームは2面4線あり、JRが単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線(電化)を使用し、のと鉄道が単式ホームに接する切欠式ホーム1面1線(非電化)を使用している。
 単式・島式ホーム間は跨線橋で連絡している。構内西側には七尾鉄道部の車両留置線が敷設されている。
 のと鉄道NT200形気動車は、のと鉄道が保有する気動車である。
従来のNT100形に代わる気動車で、2005年2月1日に201-204が竣工した。新潟トランシス製で、車体はNT100形の16.5メートルから18.5メートルと2メートル長く、最高速度は80キロから95キロと15キロ高い。なお、窓は従来車と異なり固定式のため開けることができない。2005年3月25日から七尾 - 穴水間で運行を始めた。また、JR七尾線の七尾以南への乗り入れも可能であるが、運行開始以来、定期・臨時ともに七尾以南での運行実績はない。
 2005年10月26日に211-213が増備されて総数は7両となり、その直後に行われたダイヤ改正からは、原則としてすべてこの車両で運行されている。
 和倉温泉駅(わくらおんせんえき)は、石川県七尾市石崎町にある西日本旅客鉄道(JR西日本)・のと鉄道の駅。
JR七尾線の終着駅。JR列車は特急列車のみ乗り入れている(普通列車は七尾駅が終着)。
 北陸でも有名な温泉地「和倉温泉」の入り口となる駅。
 今から千二百年ほど前、二羽の白鷺が海に足を浸し、傷を癒しているのを一人の漁師が見つけ、飛び立った場所に行ってみると、海の中からお湯がわき出ていたという伝説から、湯の湧く浦「湧浦」、これが後に「和倉」となった。
現在の駅名「和倉温泉」は昭和55年7月1日に駅舎改築とともに改称された。
 能登島への入り口「能登島大橋」を渡る際は、ここからバスに乗り換え。
和倉温泉駅前 青柏祭に奉納される「でか山」の車輪
 相対式ホーム2面2線を持つ地上駅。コンクリート2階建の駅舎を備える。JR西日本の管理駅で、みどりの窓口が設置されている。
 田鶴浜駅(たつるはまえき)は、石川県七尾市田鶴浜町に位置するのと鉄道七尾線の駅である。愛称は「たてぐのまち駅」。 愛称名の由来:当地を治めていた長家が菩提寺・東嶺寺を建立の際、尾張より招いた指物師に弟子入りした村人が匠の技を受け継いだことが、建具の街への始まりでした。 現在は「建具の町・田鶴浜」として北陸地区はもとより、全国にその名を知られています。 300年の伝統を持つ建具製造を今に受け継ぐ「建具の町」。田鶴浜は、昔は「館ヶ浜」とも「竜ヶ浜」とも書いた。これは、もともと「タヅガハマ」といった名残りであろうと言われている。この土地には、前田利家のころに活躍した長連竜の館があったところで、館ヶ浜とも呼ばれていた。
 地上駅で、コンクリート造りの駅舎を備える。ホームは2面2線の相対式ホームで、ホーム間は跨線橋で連絡している。また、北側2番ホームに出入口(野鳥公園口)がある。 日中は駅員が配置される直営駅となっている。駅舎側の1番ホームと駅舎横にトイレがある、両方とも建物自体は隣接しているが別の物である。
田鶴浜駅 - 笠師保駅 間の線路
笠師保駅(かさしほえき)は、石川県七尾市中島町塩津にあるのと鉄道七尾線の駅。
 愛称は「恋火駅(こいびえき)」。7月下旬に開催される能登キリコ祭りの一つである塩津かがり火恋祭りが由来である。七尾西湾には中島地区名産の牡蠣の養殖場がある。 愛称名の由来:塩津かがり火恋祭りは年に1度、夏の夜、男の神様と女の神様が海の上でランデブーを楽しむというロマンチックなストーリーを秘めているのがこの祭り。キリコと神を乗せて海上を廻るところは能登キリコ祭りの中でも異彩を放つ。海上に照らし出される2,000個の灯明が実に幻想的。 駅舎は東側の石川県道253号豊田笠師保停車場線沿いにあり、西側の国道249号に直接つながっていない。
単式ホーム1面1線を有する地上駅。
笠師保駅 - 能登中島駅間の線路
 能登中島駅(のとなかじまえき)は、石川県七尾市中島町浜田にあるのと鉄道七尾線の駅。 愛称名の由来:演劇とは深い関係にある、俳優・仲代達矢氏との交流から生まれた能登演劇堂は、無名塾のロングラン公演の舞台として様々な公演が行われております。 また、その昔、越中国司であった大伴家持が能登へ巡礼した際には、この地にも訪れていくつかの歌を詠み残しています。
 相対式ホーム2面2線を有する地上駅で、平日の7時から17時まで駅員が配置される有人駅である。愛称は、『演劇ロマン駅』。当駅付近に所在する能登演劇堂に因む。
能登中島駅看板 駅構内の待合室に描かれている
 構内の側線(旧3番線)に郵便車(オユ10)およびNT800形気動車(のと恋路号で使用された車両)が保存されている。そのうちオユ10形は能登線の甲駅に保存されていたもので、同線の廃止に伴って当駅に移動されたものである。これらを含め、駅周辺は鉄道公園として整備されている。
 のと鉄道NT800形気動車は、のと鉄道に在籍した気動車である。
1988年の能登線転換時に、急行「のと恋路号」用として富士重工業で2両新製されたパノラマ気動車で、エンジンはNT100形と同じく日産ディーゼル製である。室内は床面より15cm高いハイデッカー仕様で、側窓にカーブドガラスを用い、車内デッキ寄りには海側に面してソファを配し、デッキ部には自動販売機(801)、トイレ(802)、サービスカウンター(802)を備えるなどハイグレードな車内設備を備えた。1編成2両しかないため、検査入場で運用から外れた際には「のと恋路号」はNT100形2両編成で運用された。
 「のと恋路号」が2002年10月に廃止されたため定期運用を失い、団体列車用に用途変更されたが2003年7月18日に休車となり、能登線の廃線に伴って2005年4月1日付で廃車となった。廃車後は七尾線能登中島駅の旧3番線に静態保存され、「鉄道教室」として活用されている。
 オユ10形:1957年 (1〜10、2011〜2039、40〜44、2045〜2058、2501〜2514) 郵政省所有の区分室(扱い便)郵便車で、車内に郵便物を区分するための設備を設けている。荷重は一般仕様車で8t(郵袋数600個)、北海道用及び冷房改造車は7t(郵袋数532個)である。車体塗色は当初はぶどう色2号、のちに青15号に変更された。  2501〜2514 は北海道用で、耐寒装備を強化したほか、対本州運用を考慮し当初から電気暖房を併設する。後に一般車から3両が耐寒改造を実施し、2515〜2517 として編入された。  当初は冷房装置を搭載していなかったが、1972年から冷房取付が開始された。改造は屋根高さを下げて分散式ユニットクーラーを3基搭載するもので、蒸気暖房のみの5両は1000番台(1001〜1005)を付番、一般形に耐寒改造と電気暖房取付を行った33両は2550番台(2551〜2583)を付番した。北海道仕様の 2501〜2517 は1976年〜1978年に冷房取付され、2520番台(2521〜2537) を付番している。  のと鉄道能登中島駅構内に2565が保存されている。
ラッセル車が展示?されている。
能登中島駅 - 西岸駅間の鉄橋(第2中島踏切)
能登中島駅 - 西岸駅間の線路(第2中島踏切)
能登中島駅 - 西岸駅間の線路(右、文原跨線橋が見える)
能登中島駅 - 西岸駅間の線路(文原跨線橋より)
能登中島駅 - 西岸駅間の線路 能登中島駅 - 西岸駅間の鉄橋
西岸駅(にしぎしえき)は、石川県七尾市中島町外にあるのと鉄道七尾線の駅。
 愛称は、『小牧風駅』(おまきかぜのえき)。
 愛称名の由来:駅前に立つと、入り江をはさんだ高台付近を小牧台と呼び、七尾北湾が一望できます。素朴な自然に包まれた周辺には、ヨットハーバーと牡蠣(カキ)棚があり、海を渡って吹く風は旅愁を感じさせてくれます。
 相対式ホーム2面2線を有する地上駅。跨線橋などはなく、駅舎と反対側のホームを行き来する場合は直接線路を渡ることになる。
西岸駅 - 能登鹿島駅間の線路
西岸駅 - 能登鹿島駅間の線路橋梁 吊り橋が見える
 能登鹿島駅(のとかしまえき)は石川県鳳珠郡穴水町曽福にある、のと鉄道七尾線の駅である。愛称は「能登さくら駅」。
 別名『能登さくら駅』ともいわれ、春の「桜のトンネル」は全国的にも有名。
 桜の時期になると、夜桜のライトアップや、4月上旬に駅前で『さくら祭り』も行われ、花見客でにぎわう。
 『中部の駅百選』にも選ばれた駅である。
 愛称名の由来:桜の名所としては全国的に知られており、季節になるとホームに並んだ数十本の桜の木が線路上に桜のトンネルを作り、列車が入ると歓声とともに一幅の風景は見る人の気持ちを和らげます。
能登鹿島駅看板
 相対式ホーム2面2線を持つ地上駅である。 ホーム沿いにはソメイヨシノが植えられていて、春の桜のシーズンの際はホームが桜の花に包まれることから、能登さくら駅の愛称で親しまれている。 1999年の第一回中部の駅百選に選ばれている。
能登鹿島駅 - 穴水駅間の踏切から風景(根木踏切)
木場踏切にてNT200形気動車を撮影
能登鹿島駅 - 穴水駅間の踏切から風景(志ヶ浦踏切)
駅愛称名 まいもんの里駅。愛称名の由来:能登弁で美味しいものを「まいもん」と言います。
ここ穴水は、「春のいさざ」「夏のさざえ」「秋の能登牛」「冬のカキ」と四季を通じて、旬の味覚が魅力で、町あげての「まいもん祭り」は有名です。また、ここから先の奥能登地区は、まいもんの宝庫でもあります。
 穴水駅(あなみずえき)は石川県鳳珠郡穴水町字大町ト33にある、のと鉄道七尾線の駅。同線の終着駅である。穴水町の代表駅で、七尾線から能登線が分かれたかつてのターミナル駅である。
 相対式・島式2面4線を持つ地上駅であったが、便数削減や七尾線部分廃止、能登線廃止に伴い、現在は2面2線のみを使用し、すべての定期列車が1番線から発車する。
穴水駅看板
 のと鉄道NT200形気動車は、のと鉄道が保有する気動車である。
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